水素水の効果のある濃度とは?答え「0.08 ppm以上」

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水素水を生活に取り入れて美容への好影響、持病の改善効果が期待できる水素濃度とは、いったいどれくらいでしょうか?

最初に結論を言いますと、明確な科学的根拠がないので分かりません。

水素が人体に好影響を及ぼす効果はまだ研究段階のため、今のところ「分かりません」が正解かもしれません。

ただ当記事では大学と企業の研究グループが行った「水素水が動物細胞に何かしらの効果作用をもたらした実験結果」を元に適切な水素濃度を探っていきたいと思います。

そのまえにまず、水素水の濃度単位である「ppm」「ppb」についてお話ししていきます。

この単位は、水素飲料水や水素風呂を選ぶ時の基準となりますので必ず必要になりますよ。

目次:

水素水の濃度を示す単位としてよく使用されるのが「ppm」「ppb」です。

「ppm」とは「parts per million(パーツ・パー・ミリオン)」の頭文字をとった濃度の単位を表すもので「100万分の1」の意味。

大丈夫です、全然難しいことはありません。

理解しやすくするため、私たちに馴染みの深い「%(パーセント)」で表現します。

「%」は正確に「ppc」と呼び、「parts per cent(パーツ・パー・セント)」の略で「100分の1」のことです。

※「cent」とは「100」という意味です

つまり「ppc(100分の1)」よりもさらに小さいものを「ppm(100万分の1)」という単位で表せる訳ですね。

ちなみに 1 ppmを「%」で表現すると次の通り。

1 ppm = 0.0001 %

そして「ppb」とは「parts per billion(パーツ・パー・ビリオン)」の略で「10億分の1」という意味。

ものすごく小さな小さな小さなもの(笑)を表現する時に使う単位で、これも 1 ppb を「%」で表現するとこうなります。

1 ppb = 0.0000001 %(= 1000 ppm)

この単位を覚えたところで、次にどのくらいの水素濃度(ppm)があれば効果が期待できるのかを見ていきましょう。

水素水の効果をネット上で調べると「肌荒れが改善された」「毛髪がなめらかになってツヤが出てきた」「持病が良くなってきた」など複数の感想を拝見しました。

逆に効果と言っても個人差もあり、人によっては効き目がないかもしれません。

そこで調べていくウチに水素水が動物細胞に何かしら改善作用したと思われる実験結果を見つけました。

生物学の博士号・修士号の学位をもつ専門家チームが運営する『水素水完全ガイド』さんは、水素に関する有益な情報が多く掲載されています。

その中に水素水を飲ませる動物実験を行い、パーキンソン病が抑制されたという興味深い内容があったのでご紹介します。

※パーキンソン病とは?
パーキンソン病は脳の異常のため、動作が遅い・手足が震えるなど体の動きに障害があらわれる病気です。
高齢者に多くみられる病気ですが、若い人でも発症することがあります。

2009年、九州大学大学院薬学研究院とパナソニック電工株式会社の研究グループは、水素を含んだ水の日常飲用が脳神経の変性を防ぐ事を発見しました。

この実験は次の内容で行われました。

  • 実験の対象:
    パーキンソン病を発症させるマウス
  • 実験に使用した水素水:
    濃度の異なる4種類の水素水(0.04 ppm、0.08 ppm、0.5 ppm、1.5 ppm)
  • 実験方法:
    水素水を飲ませているマウスとただの水を飲ませているマウスにMPTP(※1)を投与
  • 実験結果の評価:
    MPTP投与後のドーパミン神経細胞の生存数を比較

引用元:九州大学「パーキンソン病モデルマウスに対する治療・予防効果」、水素水完全ガイド「水素水によるパーキンソン病 発症予防の研究

※1.MPTP とは「1-Methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine」からとった略語でドーパミン神経細胞を破壊する薬剤。これを投与されたマウスはパーキンソン病と同じ症状を発症します

ドーパミン(dopamine)とは、スポーツに集中している時、映画を見て感動している時、趣味に夢中になっている時、恋人と一緒にいてドキドキしている時などのケースに最も分泌される神経伝達物質です。

ドーパミンの一種である「アドレナリン」という言葉の方が、馴染みがあって分かりやすいかもしれませんね。

このドーパミンが分泌された時に橋渡しの役割をするのがドーパミン神経細胞です。

さて、本題に戻りますが濃度の異なる水素水を飲んだマウスは実験後、どうなったのでしょうか?

実験の結果、水素水を飲ませたマウスは、ただの水を飲ませたマウスよりドーパミン神経細胞の生存数が2倍でした。

水素水を飲ませたマウスにMPTPと投与したところ、ただの水を飲ませたマウスと比べドーパミン神経細胞の生存数が2倍近くとなりました

引用元:水素水完全ガイド「水素水によるパーキンソン病 発症予防の研究」

 

またこの実験結果により効果のあった水素水の濃度は「0.08ppm(= 80ppb)以上」であることも分かりました。

ドーパミン神経細胞の生存率を高めるために必要な水素水濃度は 0.08 ppm以上

また、0.08 ppmと0.5 ppm、1.5 ppmの水素ではドーパミン神経細胞の保護効果に大きな差は見られませんでした。

興味深いのは0.5 ppm、1.5 ppmと比較的濃度の高い水素水を飲ませても、大して予防効果は変わらなかったことです。

0.08 ppmの水素水で十分効果があることが分かります。

ただこの実験でなぜ障害が抑制されたのか、メカニズムは謎のママなのでその解明に挑んでいるようです。

とはいえ、動物実験に関する研究結果なので人間にも近しい改善効果が期待できるものと言えませんか?

水素水の効果のある濃度に関して検索すると、出てくるどの記事もよく「1.0 ppm以上」と示していますが、そこまで高い濃度は必要ないのかもしれませんね。

そもそも空気中で「1.0 ppm以上」もの高濃度な水素水を飲むのはかなり難しいでしょう。

なぜなら、空気中では水素は一気に放出されるため、水素濃度 1.0 ppm を摂取するのは、ほぼ不可能だからです。

次ではこの水素が水に溶けること、さらに水素水の限界濃度についてお話しします。

飲料メーカーの大手企業『伊藤園』さんは、一般的に水素を水に溶かしこむ濃度の限界は 1.62 ppm であることに触れています。

伊藤園の高濃度水素水は、一般的な飽和状態1.62ppm(気温20℃・1気圧下)を超える濃度の水素が水に溶け込んでいる水素水を容器に充填しています。

引用:伊藤園オンラインショップ「 高濃度水素水 パウチ300ml お試し7本セット

「一般的な」の言い回しがあいまいな表現なので、気になってこの他にも調べてみると「1.6ppm が限界」「最大濃度は 1.57ppm」と解説しながらも情報元の記載が一切無し。

そこで次では、なぜ水素水の最大濃度が 1.6 ppm なのかを分かりやすく解説します。

Web情報ブログ『ysklog』さんの記事には、「水素がどれくらい水に溶けるのか?」を化学情報を根拠に分かりやすく紹介されています。

まず次の表をご覧ください。

こちらは私たちが日常で受ける 1気圧の環境の下、水1Lに溶ける水素の質量(g)を温度別に表したものです。

温度(℃) 溶解度(g)
0 0.00191
10 0.00174
20 0.00163
30 0.00146
40 0.00144
60 0.00143
80 0.00143
100 0.00143

※引用元:ysklogブログ「水素水に効果・効能が全くない」ことを科学的に証明する」

国内最大の化学系学術組織である日本化学会が出版した書籍『化学便覧(改定5版)』を元に ysklogさんが算出された情報です。

この表からは温度 20℃ の水 1L に最大で「0.00163 g」の水素が溶けることが分かります。

それでは小学生の時に習った計算式で濃度を求めましょう。

濃度 = 水素の重さ(0.00163 g)÷水の重さ(1L)×100 = 0.000163 % = 1.63 ppm

となります。どうでしょうか?

伊藤園さんやその他の情報で挙げている水素濃度の限界値「1.6 ppm」とほぼ同じ数値になりました。

ちなみに「0.00163」を当てはめたかったので、無条件に温度 20℃ としましたが、実際に生活用品・食料など、ほとんどの製品・商品の規格は「常温」を使っています。

ウィキペディア先生によると、この「常温」とは日本工業規格が定義している「 20℃±15℃(5~35℃)」が主に利用されているようです。

先ほどの表を参考にすると、温度が35℃になってしまうと溶解度(水素が水に溶ける質量)が下がって、さらに水素が抜けてしまうことになりますね。

補足:「0.00163 g」はあくまで理論値?空気中では水素がなくなる?

この水1Lに溶ける水素の質量「0.00163 g」はあくまで空気中ではなく、水素が充満した環境でのお話しのようです。

つまり水素水の容器を私たちが普段吸っている空気のある環境で開けると、水素が一気に逃げてしまうのです(゜o゜;

この謎については、『ysklog』さんのブログ記事「水素水に効果・効能が全くない」ことを科学的に証明する」でイメージ付きで分かりやすく説明しています。

さて、ここで今まで解説した内容をギュッとまとめます。

  • %(100分の1) > ppm(100万分の1) > ppb(10億分の1)
  • 1 ppm = 0.0001 %
  • 1 ppb = 0.0000001 %(= 1000 ppm)
  • 水素水の効果のある濃度は 0.08 ppm以上
  • 水素水の最大濃度は 1.6 ppm(気温20℃・1気圧下)

ここで得た知識だけで「この水素水は最大濃度 1.6 ppmを超えていて嘘くさいな」とか、商品選びの時に自分で判断できますよ。

ただ工場で気圧を変えるなどの方法で1.6 ppm以上の高濃度水素水を作ることはできるかもしれません。

でも結局、水素水を飲むのは普段の環境(気温20℃・1気圧)に暮らす私たちです。

まあ 1.6 ppmを超えることはないでしょう。

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